紅い煙草と鉱石人形
紫苑は一息つく。
黒い外套から紅い紙箱を取り出した。
だが、ここが子供部屋だと思い出すと、軽く舌打ちし、紅い紙箱を再び外套に仕舞った。
結論を出すには、情報が足りない。紫苑は部屋の中央に置かれた椅子から辺りを見回す。
机にベッド、カーテン、縫い包み、椅子。
一つ一つ高価な物と思われたが、これといって、変わった所はない。
姫物語の絵本に白い陶器の小物入れ。
彩り豊かなリボンに桜模様のランプ。
そして、白いレースをあしらった木製枠の写真立て。
(ー!…あれはッー)
写真立てで、紫苑の視線が止まるー。
ガタン