紅い煙草と鉱石人形
 称賛、そして憂いー


様々な感情が紫苑の中に廻る。今まで、いくつもの鉱石人形を扱い、様々な場面に遇ったというのに…


(慣れないものだな…)


 自分の心情を愁い、紫苑は溜め息をついた。


「ねえ、パパ、わたしはどこにもいかないよ?お兄ちゃんはワルい人じゃないよ、わたしをどこかにつれていったりしない。だいじょうぶだから、ね?」

堪(たま)らず、紫苑は赤い紙箱を取り出し、紅い煙草をくわえ火をつける。


一呼吸おき、言葉にしようとした、

その時、


ガシャーンッ、ガタッガタンー





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