紅い煙草と鉱石人形
「やはり、そうかー、」
セイの方へ振り返りながら、橘は呟く。
「お前達はセンツァー社の差し金だろう」
(センツァー社だと!?)
橘の言葉に紫苑は驚きを隠せない。
「差し金?冗談、僕達は誰の指図も受けないよ。ただ、橘貴史とその鉱石人形〝サクラ〟の手配書が出たから動いたにすぎない。―来てもらうよ、僕と一緒に」
シャキン、
セイの手にある銀色の鋭利な棒状のモノが、凍るような、冷たい音を立てて伸び、橘の姿を捉える。
「ねぇ、紫苑。その人形、僕にちょうだい。このおじさんだけじゃ楽しくないよ」
余裕を感じさせる微笑みで、セイは話す。