紅い煙草と鉱石人形
「その人形、どんな声で壊れるのか聞かせてよ」


ザ、ガガッー!
 
 ためらいもなく、楽しむ様にセイは刃を放つ。


ガゥン――ッ

 紫苑のシシリー社製の銃が火を噴いた。


「ッー!?」

 銃弾はセイの頬をかすめ、空へと貫いた。無言でセイを捕らえる紫苑の眼。

「し、紫苑ん―っ」

ザッ、ガガガガッ

 悔しさに震えながら放つ刃は、威力を増し紫苑とサクラに向けられる。―はずだった。


ザンッ
 
 鈍い音と共に、紫苑とサクラの目の前が、赤く染まった。




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