2人で

ファーストフード店に着いてから、私は窓際の一人用の席をとっていた。

ハンバーガーが出来上がるのを待つため、番号札を机の上に立て、瑞希さんの手紙を途中から読み始める。

瑞希さんは、五泊六日のグアム旅行に行っていたらしく、グアムでの写真がいくつか入っていた。


「綺麗・・・」


海を撮った写真が多く、その美しさに思わず声が出る。

グアムの海ってすごく綺麗なんだな。

私は今まで、海外に旅行したことが一度もないので羨ましい。

旅行、行きたいなぁ。

家族とでもいいけど、友達同士でも楽しそう・・。

そう思って、一番に思いつくのは私の幼なじみだった。

・・拓哉、行ってくれるかな?
今は無理でも、いつかまた前みたいに喋れるようになったら大丈夫だよね?

そう思ったら、いつかではなく、すぐにでも前の様な関係に戻りたくなった。


最近の私は拓哉のことばかり考えている。

話し掛けれない、話し掛けてくれない、そんな状況が続いては毎日が辛かった。
彼女が出来たと聞いて、ショックを受けた私は、自分の気持ちを正面から受け止めれず、 別の答えを出して逃げたんだ。

弟みたいな存在が居なくなって寂しいだけ・・なんて。

でも、さっき自分の部屋で涙を流した理由はもう分かっている。

何で今までその事実に気付かなかったのだろうか。




私は拓哉に依存していたんだ。

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