2人で
「・・・・まじかよ」
そう言った竜司はかなりショックを受けている。
俺も結構楽しみにしていたので残念だった。
目の前には定休日と書かれた札が貼ってある。
竜司がお気に入りの定食屋は運悪くも定休日だったのだ。
「残念だな・・。夕飯どうするよ?」
「この辺ファーストフード店しかないだろ。・・・あ」
「・・?」
「ゆいだ」
「えっ。どこ?」
竜司が指差した方を見ると、本当にゆいがいた。
ゆいは、ファーストフード店の窓際に座って、写真を眺めている。
「・・ゆいだ」
「話しかけに行くか?」
「まだ心の準備が・・」
「さっき会いに行くって必死だっただろが」
・・確かにそうだ。
いざというときに緊張してしまう俺が情けない。
「・・てか出来れば二人だけで話したいんだけど」
俺はそう言って、意味ありげに竜司を見る。
「・・分かったよ。じゃあ俺は、別の席でお前らのこと見守っとく」
「ありがとうな」
渋々了承してくれた竜司に感謝する。
「・・じゃあ、ゆいに会ってくる」
俺はそう言って、ファーストフード店の方を向く。
「おう。がんばれ拓哉」
後ろで竜司の声援を聞きながら、俺は歩きだした。