2人で

「いいなぁ。クラス離れちゃって残念だね」

「そうなんだよな・・いや、でも結構付き合い長いしあんまりかな!ていうか、全然平気だし・・・」

  

気にしていたことを突かれたせいか、つい嘘をついててしまった・・!


しかも思い切り動揺してたし絶対ばれてるよな?



「なら大丈夫だね」


「そうそう。大丈夫」


・・バレてなさそうだな。

良かった・・。



「そういえば、彼女さんと待ち合わせしてたんだよね。遅くない?」


「確かに・・」


念のため、携帯を見てみた。


「・・ぁ」


「どうしたの?」


「なんか親と帰ったっぽい・・。大分前にメールきてたし」


こんだけ待ってた俺って健気だよな・・。


「えぇ!?約束してたんじゃないの?」


「約束・・してないけど」


「してないの?じゃあ、しょうがないね」



約束はしてなかったけど、中学の時は毎日のように一緒に帰ってたから、今日もそのつもりだったんだけど・・。


なんかへこむよな。



「・・・あははは!」


!?


「どうしたんだよ」


急に笑いだしたから、びっくりした。


「私もだよ」


「へ?」


どういうことだ?


「入学式終わって、教室に行く時に1-1の男の子に話し掛けられたんだ。アドレス交換したから、その後メールで“一緒に帰ろ”って言われたから“いいよ”って返したの。・・そしたら返事が返ってこなくなったんだ」



意味わかんない奴だな・・

「とりあえず門で待ってたんだ?」


「うん。そしたら、後ろ姿そっくりの人がいたから会えたんだと思ったんだけど・・」


「俺だったんだ。俺に似てる?」


「後ろ姿だけね」


てか1-1って同じ教室だよな。

そんな奴いたんだ・。


「お互い、来るはずない人待ってたんだね」


そう言って、彼女は微笑んでいた。



全くだよ。


まぁ、今日は別にいいか。
< 6 / 26 >

この作品をシェア

pagetop