二人の秘密
「俺も。好きで好きでたまらない………」
本当に??
涼ちゃん―?
志緒姉じゃなくて??
私を――?
「もう来ないかと……思った……」
顔を見る事は出来なくても。
だいたい今涼ちゃんがどんな顔してるのかぐらいは分かる。
でも。
「涼ちゃん……顔見たい…」
貴方の表情を見たくて。
私は体を離そうとする。
けどそれは強くなった腕によって阻止された。
「嫌だ……」
低く透き通る声で囁かれるとさすがの私も何も言えなくなる。
「莉子………」
「ん?」
「志緒の事、怒ってる……?」
恐る恐る体を離した涼ちゃんは珍しく困った顔をした。
「怒ってる」
私はそれだけ言うとそっぽを向く。
嘘だけど。
本当は怒ってなんかない。
むしろ私の方が謝りたいぐらい。
涼ちゃんは重ねた事ないって言ってくれたし。
だけどいつも上から目線の涼ちゃんが困ってるのが可愛くて。
ついつい虐めたくなってしまった。