二人の秘密


「あ……ぅ……」


月明かりに照らされて光った涼ちゃんの瞳。

妖しくも綺麗なその笑顔に私は一気に動揺する。

だってあんなに綺麗な顔見た事なかったんだ。


少しの沈黙の後。
涼ちゃんの冷たい指先が私の唇をなぞった。

「ぁ………」
「ん?何???」

わざとなの?
こんな甘い表情を見せられたらどうしようもなくなる。


唇にあった指先は耳に移動し、優しく触れ、首筋、鎖骨と移動する。


ただそれだけなのに、私は感じた事の無いくすぐったい感覚におかしくなりそうだった。


「莉子?」

耳元で囁かれたら。
ドキドキしすぎて倒れてしまいそうになる。

「好きだよ…」


――ドクン


大きく心臓が揺れた。

知っててやってるのだろうか?

私があなたを求めてしまう事を。

「ッたい………」
「ん?何?聞こえない」

嘘ばっかり。こんな近くにいて聞こえないはずがない。

なのに。
彼は私を熱い瞳で見つめる。
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