二人の秘密



私は車に乗り込んだ涼ちゃんの元に駆け寄る。


「どした?」

窓を開けた涼ちゃんの問いには答えず、優しくキスをした。

「ありがと……」


恥ずかしくなって私はそれだけ言うと家に駆け込んだ。

「死ぬー………」

自分でした行為にどうしようもなく恥ずかしくなり、恥ずかしさを隠すように自分の部屋へ向かった。


「…………莉子?」

真っ赤になって勢い良く部屋に駆け込んだ私を百合は不思議な顔で見つめる。
「百合い!!!!」


その夜は質問攻めで朝まで寝なかったのは言うまでもない。


冬休みは友達と遊ぶ事が多かった。

先生とは会えない分メールや電話をした。


明日は始業式。

まさかあんな事が起こるなんて思いもしなかった。


歯車が狂い始めたのはこの時から……………。
< 122 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop