二人の秘密
決意
―新学期。
私は逸る気持ちをおさえきれず朝一番で学校に向かっていた。
いつものように電車に乗り込むと、人があまりにも少なく一人で苦笑いしてしまった。
「早く会いたいな」
小声でそんな事を言っても座っている人は私と一人のサラリーマンだけ。
私の小さな願望は電車の中に静かに消えてしまった。
向かいに写る景色がだんだんとたんぼだけになっていく。
やっぱり私はココが好き。
なんでも洗い流してくれそうな大きな安心を与えてくれる。
〜次はー ○○○駅ー。お降りの方はお出口右側になっております。この電車はー・・・・・・〜
私は聞き慣れたアナウンスを晴れ晴れしい気持ちで耳に入れ、だんだんゆっくりになる電車の中で立ち上がる。
ふと出口方面を見るとホームに立つ一人の男の子が私の視界に入った。
「え………」
瞬間。私はその男の子から目が離せなくなった。
その男の子は私の中のある男の子と重なる。
「みな…………と?」