二人の秘密
つい口から零れたその名前に私の心臓は大きく揺れる。
黒い髪を少しワックスで遊ばせて、大きな目は私より断然綺麗。
まさにその男の子は湊にそっくりだった。
電車がゆっくり止まる。
私はドキドキする心臓を押さえ電車を出る。
少し遠慮がちに伏せている目はどこか寂しげ。
瞬間交わった視線に私はただ目を見開く事しか出来ない。
「あ、○○高校なの?あんた」
「……………は…い…」
湊と同じ容姿を持ちながら声は低く甘い声でびっくりした。
「俺最近こっち来たばっかりでさ。案内して欲しいんだけど。」
「…はい…」
これが龍との出会い。
第一印象。
無愛想。
湊みたいに無邪気に笑わない。
それが龍にたいしての私の印象だった。