二人の秘密
ダメだ。
――動いて!
私っ!!!動いて、ダメだよ、ダメ………………
目が合ったら終わり。
涙が目に滲む。
もうダメ……………
「莉子」
涙が溢れ出そうになった瞬間、私は甘い声と共に強い力に引き寄せられた。
呼んだのは涼ちゃんじゃない。
他の誰でもない。
龍君だった。
小さい私は零れた涙など見えない程強く抱きすくめられる。
どうして?
龍君どうして………??
足音が私達にだんだん近づくにつれ私の心臓もだんだんと早くなる。
「おーい、朝からいちゃつくなー!!!!」
………………………、
傷ついた心が、音も無く静かに壊れていくのがわかった。
涙が一気に込み上げる。
ばれないように私は龍君の胸に強く顔を押し付ける。
「うらやましいですか?」
龍………………君??
「うらやましいよ?若くて」
.