二人の秘密





着いたのは…………


「屋上…………」

屋上は鍵がかかっていて確か入れないはずなのに。
何にもないことみたいに鍵を使って扉を開ける龍君。


「鍵……どうして持ってるの……?」

「なんか昨日仲良くなった西野?に貰った。」


西野君……………
何してんの…………


「ん、開いた」
「わああ……………」



その光景に私は言葉が出なかった。



青い空に浮かんでるようだった。


涙が溢れて溢れて。


このなにもかも包み込むような優しい空に。

自然と涙が零れた。


「ありがとうッうぅ……」


龍君がいなかったら私は今頃本当に壊れていたよ。

今こうしてすがすがしい気持ちで涙を流せるのは紛れも無く貴方がいたから。


貴方が不器用な優しさで支えてくれたからだよ。










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