二人の秘密



「莉…………」
「莉子!!!!!!!!」

涼ちゃんの言葉を遮り、

私を呼び止めたのは、

龍君だった。



「龍………君!?」


力強く私を抱きすくめた龍君は、涼ちゃんに言った。



「俺の彼女を泣かせないでください。」



―――――――え?


「いまさらッ莉子を散々泣かせといて!!!」

「龍君!!!!!」


何がどうなってるの?

龍君は、どうしてそんなに怒ってるの――??


「ごめんな。山下、体調悪いみたいだから。家まで送ってってやって」


涼ちゃん――――


背中越しに、私を呼んだような気がして、私は涼ちゃんを追いかけようとする。

でも



「行くな………」



私を強い力で抱きしめる龍君の言葉に、追いかける事は出来なかった。



やっぱり私は最低だ。


この腕を振り払う事も、涼ちゃんを追いかける事も出来ないのだから。




「好きなんだ。莉子………」


消えてしまいそうな程か細い声に、私は泣く事しかできなかった。










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