二人の秘密



どうして私達はこんなに無力なのだろう。


愛する人を、大切な人を守れないのだろう。



こんなに苦しいなら、こんなに涙が溢れるなら、私は恋なんて知りたくなかった。


恋なんてしたくなかったよ…



なんで、なんで、なんで………………



いつから間違ったの?

いつから私達は
こんなにこじれたの??


わからない。



分からない。

分かりたくない…………




『好きなんだ。莉子…』


『別れよう……………』




『ちゃんと現実見なよ!!!!』




何が答えなの…


現実を見たら全て受け入れられるの?


龍君の気持ちに答えたら幸せになれるの?


涼ちゃんとの別れを受け入れたら、もう泣かなくていいの………?



分からないよ。



私自身が、私の心が壊れていくのを確かに感じた。



トボトボと歩くいつもの道。

何も変わらない。
いつもと同じはずなのに。


全く色がない。

何も今の状況は変わらない。


そりゃそうか……………



全部私が悪いんだし。

百合を傷つけて、龍君を巻き込んで、涼ちゃんを困らせて。


一体私は、何をしてるんだろう……………








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