二人の秘密
希望の光
答えなんて全く見つからず、私はある場所にいた。
何も考えたくなくて、何も感じたくはなくて。
普通なら一限目が始まった頃。
私は、湊と良く行っていた中学校の裏にある、小高い場所にいた。
街全体が良く見えて、ビルとか、マンションとか。
全てが小さく見えた。
湊はいつも言っていた。
『人間て、小さいよなあ…』
私は大してそんなふうには思っていなかった。
まあ ビルとかに比べればね、
ぐらいにしか、思えなかった。
だけど今、意味が分かった気がした。
人間は小さい。
一人の無力な生き物。
だけど、そんな人間でもたくさん集まれば強くなれる。
愛する人を見つければ、幸せになれる。
それを、知っているからこそ。
うまく出来ない自分が酷く悲しいんだ。
私より年下だった湊は、私より先に大事な事を知ってたんだね。
私、今の歳になってやっと理解出来たよ。
人は、無力なんだね。
だから、大切な人と力を合わせながら強くなるんだね。
馬鹿だな………
いまさら気付くなんて。
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