二人の秘密



二人で語り合った後。

私達は別れた。


百合と仲直りして、私は一つ。
心に決めた事があった。



私の好きな人は。

私の愛する人は、………



涼ちゃんだから。


龍君の告白は断るんだ。

例えそれが自己満足だとしたって。

構わないの。


自分の気持ちに嘘をついてまで、偽りの幸せはいらないの。


ただ一つだけ。

貴方を愛してる。

それだけがあれば。


私はきっと幸せだから。

貴方を愛せた事に、自信を持てるから。


だから、許されるなら。

貴方を。

貴方だけを好きでいたいの。



私は、マンションの前で龍君を待った。


もしかしたら、もう帰ってるかもしれない。

このマンションに住んでいないのかもしれない。


だけど。

私は待った。

必ず来てくれると、信じて。


ぽつぽつと、私の前の道を濡らしていく。


「雨…………」

いつの間にか雨が降り出していた。



遠くで雷も鳴っている。
今日は、無理かな……


そう思った時。










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