二人の秘密

補習




「莉子!!!!!おはよう」

「おはよう」



私は笑顔で百合に挨拶する。

二人で笑いながら教室に向かう。


「おはよう、山下」


私達の後ろから声が聞こえ、振り向くと

「龍君ッッ!?」


が いました。(笑)



「おはよう」


無表情で。

棒読みで。

だけど、


「おはよう!!!!」


私の笑顔に、不器用な笑顔で私に返してくれる。



よかった。


よかった。



貴方が、居てくれてよかったよ。


私なんかを好きになってくれてありがとう。



「おはよ!!!涼ちゃん!!」


私の後ろで女の子のそんな声がした。


「大丈夫……?」

百合は心配した面持ちで私を見つめた。


大丈夫と言ったら、嘘になる。

でも、大丈夫にしてかなきゃ。

答えなんて、見えないんだから。


「平気!!!」


私は満面の笑みで答えた。



私の笑顔を見て、安心したように私を見た百合。

でも、私の後ろ辺りを見て顔を歪ませた。


「どした…「山下」」


………………え?

今の声って………


私はゆっくり後ろを振り返る。


「おはよう」


あ…………………


涼ちゃん。




まただ。
また、あの表情を隠すような笑顔。









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