二人の秘密



「とにかくお前は補習!!!!放課後、生徒指導室な?」


"生徒指導室"

その響きが、私の胸を高鳴らせた。


「はぃ………」


「じゃな」


あー…………


戻った。


さっきの笑顔じゃなくて、隠した笑顔だった。


なら
さっき見せたあの笑顔は……………


本物なの――――?



「先生おはよう!」
「おう!!!!」


私の前を歩く涼ちゃんは、相変わらず表情を隠すような笑顔で挨拶をしていた。


「なんか−莉子の前だと、表情柔らかくなるよね。先生……」



百合は涼ちゃんを見ながら、呟いた。



期待してしまう。

私だけが……………
貴方の特別だと。

先生。


私は、貴方にとってどんな存在ですか――――?










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