二人の秘密
貴方の笑顔を見たら。
隠していた確かなものが。
溢れ出した。
目の前の貴方が霞んで、瞬きをしたら零れ落ちた。
ぽろぽろぽろぽろ、涙は流れて私の頬を冷たく濡らす。
「山下」
貴方が例え私を生徒として見ていたとしても、私は貴方が………好きだよ。
私はゆっくり息を吸い、
真っすぐに涼ちゃんを見据えた。
「あたしッ……………」
離れた距離が縮まって、貴方の香りに包まれて。
喉の奥がぐっと締め付けられる。
「ごめん。俺……お前がいないと駄目だ…………」
な………に……?
静かに、静かになって私の心臓。
聞こえないよ。
涼ちゃんの声が。
「自分勝手なの…分かってる。だけど…寂しくて堪らないんだ………。」
涼ちゃん。
「頼む。………傍にいて…」
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