二人の秘密



もういっそ
どちらでも良いと思った。


この抱きしめてくれる腕が私のものになるのなら、もう一度永遠を信じていいのなら……………



もう
なにもいらない。

なにも望まない。


貴方だけ居てくれたなら…………





「好きだ好きだッ………」



強く強く。

離れない様に。
お互いを確かめる様に。

私も大きな背中を抱きしめ返す。



ほんのり私の鼻を霞むのは 貴方の香り。

広い胸から聞こえるのは貴方の鼓動。


私を包む温かな体温は………貴方の体温。



「わたしもッわ……たしも…!!……好き 大好き……」

私の涙が涼ちゃんの胸を濡らす。



「莉子…………」

私の名前を呼んだのと一緒に体が離れる。


瞬間温かかった体が一気に冷たくなり、離れた距離が酷く悲しく感じた。



でも――――――、











.
< 163 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop