二人の秘密
涙が一気に滲んで
涼ちゃんが霞んでいく。
嘘じゃないよね???
「泣くな泣くな」
「ばかぁ……ひくッ」
零れ出した涙は止まらなくて、泣きたく無いのに涙だけ零れて………
あんなに辛かった心が今はこんなに満たされてる。
不思議だね。
私の中心は涼ちゃん。
涼ちゃん次第で私の全てが決まる。
そんなのおかしいと言う人も、いるかもしれない。
けど………
もうそんなのはどうでもいい。
貴方がいればそれだけでいい。
「莉子…??」
俯く私の髪を撫で、優しい口調で私に話しかける。
近くに来たせいで、ふんわり香る貴方の匂いにいちいちドキドキして。
「ごめんな?辛い思いさせて………」
そう呟いた涼ちゃんは酷く切なげな声だった。
俯いているため表情は見えないけれど、不思議な事に想像はできた。
きっと、見たら泣いてしまうぐらい悲しい顔。
「莉子………」
そう呼ばれ重なった互いの手。
握った手から伝わるのは溢れんばかりの愛。
そして、
「もう一度…俺の彼女になってくれませんか………?」
絶え間無く私に降り注ぐ幸せ。
.