二人の秘密


「ん。いい子。」


そう言うと私の髪を
優しく撫でた。


「山下……俺は……」
「………」


何―?
嫌な予感がよぎる。

「人を信じられない」


私を真っすぐに見据えたまま。
ただ……
ただ悲しく見つめた。


「え……」


私は小さく声を零す事しか出来なかった。


「だから。泣きそうに見えたのはそのせいかもしれないな。」



それだけ言うと涼ちゃんゎ席を立ち、「送る」と言った。
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