二人の秘密


「着いたぞ」



私は静かに頷くと
ゆっくりドアを開ける。

「山下」

ドアを閉めようとした私を涼ちゃんが呼び止める。

「……明日もちゃんと来いよ。」

―ドクン


その言葉にどんな気持ちが込められているかなんて
分からない。


でも。
涼ちゃんの悲しそうな顔はもう見たくなくて。

私は知らない間に口を開いていた。

「私がッ!先生を救います」
「え?」
< 30 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop