二人の秘密
偽り
「ここは、こうなる。ここまでで分からない奴はいるか?」
わかりません。
貴方が。
黒板の前でみんなを見渡しながらちらっと私を見る。
「ッ?!」
私はいきなりで戸惑いを隠せず肩を強張らせる。
「馬鹿」
誰にもばれないようにそう言った気がした。
『一週間。俺の彼女になって下さい。』
そう言われた後。
私はその場にしゃがみ込んだ。正確に言えば倒れたかもしれない。
私はとても今の状況が理解出来ず、無い脳みそで必死に考えた。
『大丈夫か?山下?」
私の前まで来て同じように目線が合うようにしゃがむ。
『だ 大丈夫じゃないです』
考えても考えても。
答えなんか出てこない。
『急にごめんな。困らせたな。』
涼ちゃんは私の髪を優しく撫でると優しく呟いた。