二人の秘密

過去




「先生………」
「………ん?」
「あのッ…」


何で私なんですか?
とは言えずに黙る。


今は放課後。
生徒指導室で掃除を終えた私は苦手な数学を教えてもらっている。
が。



とても勉強する気にはなれず プリントも少しも進んでいなかった。


「山下?」
「あ。何でもありません……」


弱虫。
馬鹿だな。あたし。

聞く勇気も聞いてこの関係が崩れるのも………怖くて堪らない。

臆病な自分に腹が立って仕方がなかった。


先生。
私はどうしたら良いですか………………。
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