二人の秘密
「めちゃめちゃ心配してたぞ。」
目線だけ私に向け、その瞳に吸い込まれそうになる。
「あ…そう…ですか」
私は言葉を濁らせながらたどたどしく言う。
「だから。」
―ガタ
「毎日本部先生が退院するまで、俺のトコで罰そうじ」
ドクン
窓に寄り掛かって私を真っ直ぐに見つめた矢神先生に私は目をそらせなかった。
あまりに大人で。
あまりに綺麗で。それなのに どこか人を寄せ付けないような 瞳に。
私は魔法をかけられたようだった。
「聞いてんのか??山下?」
私ははっと我に帰り
コクコクと何度も首を縦に降る。
「じゃ 毎日放課後ココに集合。」
ニッコリ表情を隠すような笑顔。やっぱりこの人私に似てる……。