二人の秘密


「待って!!!」


部屋を出ようとする私の腕を掴む。

「駄目だよ。もう さよならしなきゃ」


私は背を向けたまま、小さく呟く。

「莉子!!!話し聞いて!!」
「嫌だよ!!!!!!」


私は耐え切れない悲しさに襲われ大声を出してしまった。

「私は志緒姉じゃない!!!!代わりなんて嫌だよ!!!」

言ったら駄目なこと。
分かってるのに………。

「志緒姉が好きな涼ちゃんとなんか居たくない!!!」

「莉ッ」
「離して!!!!涼ちゃんなんてもう嫌い!!!!!」


涙が次から次へと流れて。

悲しさだけが私の中に溢れて。

痛くて痛くて………。


「私の気持ちなんてッ少しも分かってない!!!」

私は手を振りほどくと走って部屋を後にした。


涼ちゃん涼ちゃん涼ちゃん…………。



本当は大好きだよ。
誰より愛してるよ。


「うっっあ………ああー!!」

私はしゃがみ込んで泣いた。

大声で。今までにないくらい。

泣いて泣いて………。

涙が枯れるくらい。

ただただ悲しみの中に墜ちていった。
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