二人の秘密
「先生私……一日中寝てた…………?」
「そうよー。もう起きないしねえ。心配してみんな来てくれたのよー?」
――――みんな?
「クラスの子達とかねー、あぁ!矢神先生も来てくれたわねー」
―――――ドクン。
息が上手に出来ない。
『莉子』
涼ちゃんの声が響く。
胸が苦しいよ…………。
「山下さん…?大丈夫?」
「うん。大丈夫………」
本当は大丈夫なんかじゃない。
今にも倒れそう。
ココロが壊れてしまいそう。
「やっぱり顔色良くないわねー。頼んどいて良かったわあ」
「何を…………?」
私は制服を畳みながら先生に問う。
「帰り送ってもらうこと。」
「誰に…………?」
「矢神先生よー?」
―――――え???
「嘘!!!先生私一人で帰れる!!!」
「え!?駄目よ。そんなに真っ青な顔して!」
そんな……………。
少し前の私なら喜んで受け入れてたのに。
今は苦しいだけだよ。
「しっかり送ってもらいなさいね?矢神先生駐車場にいらっしゃるから。」
「え……あ……はい………」
いまさら断る事は出来なくて…。
私は小さく返事をした。