二人の秘密
どうしよう…………。
私は重い足取りで保健室を後にした。
ゆっくり、なるべく時間がかかるように駐車場まで歩いた。
涼ちゃんに会ったら泣いてしまう。
それくらい分かっているのに。
今更逃げる事も受け止める事も出来ない。
涼ちゃんはどうして断らなかったの―――?
「あ………………」
生徒玄関を出ると黒い見慣れた車が私の前にゆっくり止まった。
車の窓がゆっくり開く。
「乗れよ」
あ………駄目。
涙が溜まる。
「……はい……」
私は俯いたまま車に乗り込んだ。