二人の秘密
「お腹空いたな……」
私は重い瞼を無理矢理開けると静かにベッドから起き上がった。
リビングに行くと机の上に私のご飯が置いてあった。
“莉子の分”
お母さんの字で書かれた紙を見ると涙がまた流れる。
私は弱い。
あんなに離れると決めたのに、もうやめると決めたのに。
涼ちゃんを拒否することが出来なかった。
あの腕を振り払う事が出来なかった。
弱い自分が堪らなく嫌だった。
お母さんの作ったご飯を食べながら私は泣いた。
もうわからないよ。
何を信じて何を愛せば良いのか。
私はどうすれば良いの?
私がしたことは間違ってたの―?
何もかも分からない。
考えても考えても答えなんて見つからなかった。
光なんて私には見えなかった。
もうすぐクリスマスが近づいていた。