二人の秘密
「よかった………」
私は小さくそう呟く。
「よかったって一人じゃなくて?」
百合の真剣な声が聞こえて私の足は自然に止まる。
「涼ちゃんの事考えなくて済むから…………?」
「―――え?」
私を真っすぐに見据えて何もかも見透かすように。
ただ悲しく百合の目に涙が溜まっていく。
「莉子………涼ちゃんと別れたんじゃない?」
――ドクン
私の心臓が大きく跳ねるのがわかった。
百合には全部話していた。
仮の彼女になった事。
でも、志緒姉と付き合ってた事。別れた事。
それは言ってなかった事。
なのに百合は全て見抜いた。
私が無理してるのも涼ちゃんを忘れたいのも。
何も言わなくても分かるよ。
そう言われている気がして私は咄嗟に目線を逸らした。
「ねえ莉子?言えないかな??私は頼りないかな……?」
「………」
そうじゃないよ。
百合は頼りなくなんかナイ。
私が一番に信頼して信用してる親友。だけど………