二人の秘密
志緒姉と涼ちゃんが付き合ってた事。
私と志緒姉を重ねていたと思って別れたこと。
昨日一緒に帰った事。
重ねた事はないと言われたこと。
ずっと待ってると言われた事。
途中息苦しくなって私の目から涙が溢れた。
それでもただ百合は私の手を握って「うん」と言いながら聞いていてくれた。
私はその温かい手に。心に、少しずつ癒されていった。
全てを話し終える頃には私の涙はいつの間にか引いていて。
反対に百合が泣いていた。
「分かってあげられなくてごめんね………」
百合は泣きながら私をきつく抱きしめた。
私は馬鹿だなあ。
こんなに心配してくれる友達がいたのに。
泣いて悲しみを分かってくれる百合がいたのに。
なんでもっと上手に出来ないのかな。
涼ちゃん。
もう朝のHR始まった頃だよね。
「莉子は………涼ちゃんが好きなの?」
「分からない。」
本当は初めから分かってた。
気付かないふりをしていただけ。
「………嘘つくの下手ね」
眉を寄せて呆れたように笑う。
「嘘じゃッ」
「嘘だよ。だって泣いてるじゃん」
私はゆっくり自分の目元に手を当てる。
「………あ」