二人の秘密


自分の瞳から流れる暖かいものに。

私はただ驚く事しか出来なかった。


「莉子……涼ちゃんのことやめるなんて出来る訳ないんだよ…。」


「……」

「…………だって莉子の初恋だもん………」


その瞬間涙が溢れて溢れて止まらなくなった。

大好きだから。
涼ちゃんが。

初恋だから。
私の。


涙と一緒に好きの気持ちも溢れ出してしまいそうで。

私の中から溢れて溢れて。

「うっあぁ……ひっく…」

初めから無理な事ぐらい分かってた。


忘れられない事ぐらい分かってた。


だけどつまらない意地で大事なもの見えなくなって。


大事な人を失った。


馬鹿だよ。私は。

今更好きだなんて伝える事出来ない。

もう……なにもかも遅い。


「あぁああッうッき……好きだよ………」
「うん。」


溢れ出した好きは止まる事はなくて。

言いようの無い虚しさが私にのしかかる。


「好きッひくッ好き……う…」

「うん。うん。」



涼ちゃん……………


好きだよ…………。
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