二人の秘密



「無理に止める事ないよ…」


百合…………。

今更止めるなんて出来ないよ。


好きが溢れて止まらなくなって。

あの温もりが恋しくて恋しくて。

ココロが潰れてしまいそうだった。


「わッたし………どうすればいいんだろう………」


こんなに好きになって。こんなに苦しくなるぐらい愛しくて。


それなのに………
何度好きだと言っても。何度涙が溢れても私達は先生と生徒。


好きになってしまったのが間違いだった?


出会ってしまったのが間違いだったのかな……?


分からないよ。

涼ちゃんは今何を思っていますか……………?



私は中庭から真っすぐに空へ伸びる木をただ茫然と眺めていた。


風邪が吹く度にさわさわと靡く葉を 私は切なく感じていた。
< 90 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop