二人の秘密
「無理に止める事ないよ…」
百合…………。
今更止めるなんて出来ないよ。
好きが溢れて止まらなくなって。
あの温もりが恋しくて恋しくて。
ココロが潰れてしまいそうだった。
「わッたし………どうすればいいんだろう………」
こんなに好きになって。こんなに苦しくなるぐらい愛しくて。
それなのに………
何度好きだと言っても。何度涙が溢れても私達は先生と生徒。
好きになってしまったのが間違いだった?
出会ってしまったのが間違いだったのかな……?
分からないよ。
涼ちゃんは今何を思っていますか……………?
私は中庭から真っすぐに空へ伸びる木をただ茫然と眺めていた。
風邪が吹く度にさわさわと靡く葉を 私は切なく感じていた。