二人の秘密



しばらく沈黙が続いた後、上の方の窓が開いた。



「莉ぃ子ー!!!百ー合ぃ!!」


上から馬鹿でかい声で叫ぶもんだから私の心臓はおもいっきり掴まれる。


「なぁにい!?」


百合は私たちを呼んだ女の子に問う。


「クリスマスパーティーの打ち合わせえ!!!今からやるぞー!!!」



ひらひらと私達に手を振るその娘。

その子の名前は関口舞(せきぐち まい)

肩まで伸びたさらさらの髪を緩く巻いて雰囲気はお姉系。

だけど内面はすごく天然で可愛い。

私がこの高校に入って初めて友達になった子。


「莉子ー!!!大丈夫かあ!?」


舞の横からひょこっと顔を出したのは後藤苺(ごとういちご)。


バスケ部の部長で皆から頼りにされる元気系な女の子。

短い髪をふんわり盛っていつも私達を笑わせてくれる。
いわゆるムードメーカーだった。


最近はその二人といることも多く私の気持ちを知ってる。


「大丈夫だよー!!!今行くねー!!」



私はおもいっきり叫ぶと百合と一緒に走って教室まで行った。



友達ってさ本当に何気ない存在だよね。


でも、私にとったら今はかけがえない存在。


皆がいたから笑えたし皆がいたから泣けた。


初めて友達をこんなに大事に感じた。
< 91 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop