二人の秘密
好きだけど私から離れたし、私と涼ちゃんは先生と生徒。
とても告白なんてできやしなかった。
「うん………無理…かなあ」
私は苦笑いするとまた厚紙を切り出す。
伝えたいけどいまさらだよ。
「好き………何だよね?」
苺は星の厚紙に紐を通しながら私に問う。
「…………うん。」
好きだよ。溢れて溢れて止まらないよ。
だけど言えない。
私にはそんな権利ないよ。
何でこんなに涼ちゃんなんだろ。
涼ちゃんが好きすぎておかしくなりそうだよ。
すると廊下から怒鳴りが聞こえた。でも、私は作業する手を止める。
「こら宮木ー!!!お前隣のクラスだろー!!!」
聞こえた声は貴方の声だったから。
「涼ちゃん!?許してー!!!」
「嫌だ。」
―ドクン
昨日も会ったのに久しぶりに聞いたような感覚にさえなる。
「プリント三枚なー!!」
楽しそうに笑う顔が凄く愛しく感じた。
「涼ちゃんー!!!」
「うるさいうるさい。はよ帰れ!!!」
ふざけた声が私の耳を離れない。
こんなに近くにいるのに凄く遠いね。
「プリントはー?!」
涙目になりながら涼ちゃんにすがる宮木君。
「無しにしてやるから直ちに帰れ」
涼ちゃんは面倒くさそうに言う。
「やった!!!!涼ちゃん大好きー!!」
「うるせぇ!!!!静かにしろ!!!」