Loved you...

「……じゃあ、またね」

そう言って手を
離そうとした真樹。
しかし悠はそれを
許さなかった。

それに驚いた真樹は
何かと恥ずかしくて
見ていなかった
悠の顔をチラリと見る。

悠は目線を泳がせて
顔をほんのり赤く染めていた。

そんな悠を見て
同じ気持ちなんだ、と
暖かい気分になる真樹。


「あの、さ…」

泳がせていた目を
しっかり真樹に合わせ
さっきより頬を赤く染め
口を開いた悠。

「え?」

悠はまだ何も
言ってないけど
聞き返すように発する真樹。

ちょっと躊躇ったようだが
直ぐに口を開いた悠だが。


キーンコーンカーン…


予鈴が鳴った。

前もこんなんあった!と
思いながら決して
悔しさを表情に出さない悠。

まぁ表情に出さなくても
行動に出ているので
悔しいことは真樹に
十分伝わっているのだが。

「ふふっ」

思わず笑う真樹。
悠は顔を真っ赤にして
正気に戻る。

とりあえず
言いたいことは言わないと。

しかしさっきのことでか
ちょっと緊張して
思うように口が動かない。

その間に
離れる真樹の手。


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