Loved you...
第3章
女のキッカケ
保健室のソファの上で
携帯を片手におとなしく
杉崎の帰りを待つ真樹。
ガラリ、と音を起てて
開く扉を見てみれば
長めの金髪ではなく、
ゆるふわハニーブラウンの頭。
「あ…」
「真樹ちゃん!」
美羽は真樹を見るなり
飛び着いた。
「わっ…み、美羽さん?」
「会いたかったよ!」
杉崎は羨ましいと思いつつ
2人を眺めて口を開く。
「とりあえず保健室ではお静かに」
真樹の目の前に課題を置き
さっさと教諭机に向かう杉崎。
「あ、これ課題?」
「うん…えと、渡辺さんは…?」
たどたどしく言う真樹。
それとは正反対で
明るく答える美羽。
「自主学習だよっ!」
「サボりじゃねーか」
突っ込みを入れた
杉崎を睨む美羽。
それを見て
クスクスと笑う真樹。