スウィーツなキミ



私立聖マグネス学園。

国内でも三本の指に入る金持ち学校で、政治家やら財界のジュニアが通う。
パンピーで普通も普通な私でも知ってるような学校。

その学校が目の前にあるって言うだけで感動すべきなのかもしれない。



「ブッサイクがもっとブッサイクになるぞ。」


「……あんたさ…感動に浸らせるとかできないわけ?」


「感動?こんなん普通だろ。なぁ、陸?」


「僕たちはね。」



なんなんだ、この双子は。

中世ヨーロッパのお城みたいな場所が普通?

いやいやいや…有り得ないから。
普通を通り越して最早奇っ怪もいいとこだわ。



「普通?どこが!」


「「普通でしょ(だろ)?」」


「違うし、全っ然普通じゃない!」



声を揃える黒ずくめの双子に私は頭を抱えたくなった。

車内で意味があるのかないのかよくわからない話しを繰り広げる中で私や双子を乗せた高級車は当たり前のように開いた門へ向かってゆっくり走っている。



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