スウィーツなキミ
「まず、なぜ相原さんが選ばれたかをお話しますね。」
にっこりと、そりゃあ…見惚れるような陸の綺麗な笑顔に頬が熱くなったような気がしたがそれはなかった事にした。
「この仕事に関しては、いつもは同年代の方にお願いしているのですが…」
「ちょっと待って?いつもは…ってなに?」
「………この仕事、相原さんで18人目になります。」
言いづらそうに、しかも目を逸らす陸に思わず眉を寄せたまま「はぁ?」と気の抜けた声しか出てこなかった。
18人って…その数字は決して良いものではないのは陸の態度で一目瞭然だった。
陸を見てもただ苦笑いしか返ってこなくて、仕方なく失礼極まりない佳を見ても素知らぬ振りで目すら合わせない。
「(……このクソガキ!)」
心の中だけの悪態で、ふとこの双子はいくつなのか。
そんな今は全く関係ないような疑問が浮かぶけど…今はそれどころじゃないと自分を制してまた陸に視線を戻した。