スウィーツなキミ



気まずそうに視線をさ迷わせる陸を見たままこれみよがしなため息を吐き出してやる。



「今までの17人がなんでやめたか聞いても?」


「………主人があまりにも我が儘なもので…。」


「我が儘?高校生なんて我が儘でナンボでしょ。」



まともとは言えないのかもしれないけど、私だって高校生をしていたんだ。

高校生くらいの時期は反抗したい盛りだから我が儘なんて……とか思ったのを口にする。



「極道じゃないなら私は別に構わないし。なんせ日給二万だし」




そう。
日給二万…これがでかいんだよ。

日給二万のためなら多少の我が儘は目を閉じてやろうじゃないか。



「それより……仕事内容は?」


「あぁそうでしたね。まず…相原さんが選ばれた理由は簡単です。

相原さんが、恋愛は疎か青春すらしていないようでしたので選ばさせていただきました。」



にっこり。

極上の笑顔でグッサリ来るような事を言う陸に口端がヒクリと引き攣ってしまった。



「仕事内容は二つです。」



笑顔を崩さない陸と、我関せずな佳に挟まれた私はどうにも嫌な予感がヒシヒシと伝わってきて今すぐに車から飛び出したくなってしまった。


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