スウィーツなキミ
「一つは、相原さん自身が青春を謳歌される事。」
「は?私?
………なんで私が青春を謳歌するのよ。大体、私もう二十歳過ぎてるのよ?」
二十歳過ぎて世間一般的にはもう大人の仲間入りをした私がなぜ今になって青春をやり直すのか、全くもって理解できなかった。
思わず首を傾げたまま眉を寄せた私に陸は気にも留めていないような綺麗すぎる笑顔を浮かべているし…。
「最上暁(モガミ アキラ)様をご存知でいらっしゃいますか?」
「最上?……最上ってあの…代議士だか税理士だか…」
「政治家です。」
「あぁ、それそれ。
知ってるも何も…超有名人じゃない。」
最上暁…日本に住んでいるなら知らない人間は本当に稀だろう人の名前。
確か…、次期総理大臣とか言われる超有名人だ。
陸がなぜ最上暁の話をするのかさっぱりわからずまた首を傾げれば、スッと出された数枚の紙。
「………なに?」
「お読みください、三分で。」
「三分?ムリだから!カップ麺じゃあるまいし…」
紙が数枚とは言え、有り得ないくらいの文字の数にいますぐにその紙を投げ捨ててやりたくなった。