スウィーツなキミ
「世話係なんかいらねぇって言わなかったか?」
「こればっかりは迅様の意見は却下です。旦那様からのご命令ですから。
それよりも………」
半裸で女を侍らせる目の前の王子様もどきに向かって笑顔を見せる陸は、一瞬で表情を変えて侍ったままの女達を感情の無い瞳で見据えていた。
ちなみに、女は数えたら四人いた。
「いつまで貴女方は迅様のベッドにいるおつもりですか。」
「陸……お前には関係な」
「黙らっしゃい。
さっさとそのお粗末な体を隠して部屋から出てくださいませ。」
主人だと高らかに宣言していた王子様もどきにブリザードが吹き荒れそうな絶対零度の笑顔を向け、女には屈辱すぎるセリフをサラリと言う陸に背筋に冷たい物が流れた気がした。
王子様もどきに侍っていた女達は同性の私から見ても容姿もスタイルも文句なしに一流な気がするけど…。
「何よ……こいつっ」
「黙りなさい。お粗末な体をさっさと隠して出ていけ、と私は言ったはずですが?」
天国にいるお母さん、
私は今日初めて、苦虫をかみつぶしたような顔を見ました。