スウィーツなキミ
陸にスッパリと切り捨てられた女達は悔しそうな顔をしたまま言われた通りにチラリチラリと見えていたナイスバディを隠して逃げるように部屋から出て行った。
――――…陸って……辛辣すぎるわ…。
それは口には出せない。
私は間違っても陸のお怒りは買いたくないからね。
「……さて、迅様。こちらが相原椿さん、これから迅様のお世話をする方です。」
「いらねぇ。」
「聞こえませんね。
相原さん、こちらが迅様です。多少盛りの付いた動物のようなお方ですが仲良くなさってくださいね。」
さ、盛りの付いた動物…
仮にも主人のはずの王子様もどき……迅を酷い言い草で紹介する陸は本当に敵に回したくない。
―――…マジでおっかないわ…
「陸、お前…盛りの付いたってなんだよ。」
「おや、間違ってはいないはずですが?
あのような盛りの付いた雌猫を侍らせるような方は盛りの付いた動物で十分です。」
口を挟めない、むしろ挟みたくない陸と迅の会話をただ傍観しながら聞いていた私に向けられた一対の瞳に無意識に肩を震わせた。