スウィーツなキミ
教師…渡辺先生に着いて廊下を歩いて10分、真っ赤な扉の前で立ち止まったのに釣られて私も足を止めて扉を見る。
「ここが教室になります。今日から貴女もここに通っていただく事になります。」
「はぁ……そうですね。」
「では行きましょう。」
不自然すぎる敬語と不自然すぎる笑顔に今すぐ帰りたい気持ちを押さえ込んで引き攣りながらもどうにか笑顔をみせた。
――――キィィ、
スライドではない扉は軋む音をさせながら開かれた。
「皆様、今日から新しくこの学校に通う方がいらっしゃいます。
相原椿様…自己紹介をお願いします。」
「………相原椿です。よろしくお願いします。」
小さく頭を下げて不自然にならないように教室を見渡せば、厚化粧をして無駄に着飾った女、いかにも金持ちと言う男なんかがみんな私を見ていた。
「…………あ……」
その中で見つけた窓際の一番後ろにいる最上迅。
私を見て嫌そうな顔をしたのが見えて私も思わず眉を寄せてしまった。
「相原様は最上様の隣へ。」
「………はい。」
「では授業をはじめます。」
不本意だけど最上迅の隣の席に座って小さくため息を吐き出す。
チラッと最上迅を見れば最上迅も私を見ていたのか、バッチリ目が合って思わず肩を竦めた。