スウィーツなキミ
茶色の瞳はやっぱり吸い込まれるように目が離せなくなる。
「(……まぁ、かっこいいのは認めるけど…性格がねー)」
「お前…まだいたのか。」
「………いるわよ。仕事をほっぽりだすほど無責任じゃないわ」
馬鹿にしたような最上迅の言葉にカチンときたけど、自分は大人だ、と言い聞かせて小声で勤めて冷静に返した。
「あんたさ…ちょっとは改心しなさいよ。」
「改心?」
「陸や佳が苦労してるのわかってるでしょ。女遊びするなとは言わないけど…ちょっとは控えた方が良いんじゃない?」
陸や佳を一日二日見てただけでどれだけ苦労しているかわかる。
こいつがほんの少しでも改心すれば楽になるはずなのに、とも思った。
「17やそこらって確かにヤリたい盛りかもしれないけどね。」
「たかが世話係が…この俺に意見するわけ?」
「たかが世話係だろうと、執事だろうとなんだろうと…あんたと同じ人間なの。誰でもあんたに従うなんてとんだお門違いよ。」
なんてね。
そんな偉そうな事言いながら私自身そんなに偉くなんかないんだけどね。
「お前に何がわかるんだよ」
「わかるわけないじゃん。私はあんたじゃない。お坊ちゃんでもお嬢さまでもないんだから。」
青春とか、笑顔とか、そんな事よりもずっと大切な事をこの馬鹿男に教えなきゃいけないのかもしれない。