スウィーツなキミ





とにかくお父さんを睨みつけて、手渡され行き場がなく私の手に持たれたままの制服をギュッとにぎりしめた。



「お父さん、なんで」



――――ピンポーン…―


タイミング最悪だね…なんて言いたくなるようなタイミングで玄関のインターフォンが鳴り響いて思わず玄関のドアを睨みつけた。



「椿、出てくれ。」


「なんで私が」


「良いから良いから。」



シッシッと手をヒラヒラさせるお父さんに「良くない!」と怒鳴りながらもちゃんと玄関に向かう私はえらいと自画自賛したい。



「はーい、どちら様で…すか…?」



ガチャガチャと玄関の鍵を開けてドアを開けば見知らぬ男が二人。

しかもテレビドラマなんかで見るSPみたいに黒いスーツに黒いサングラス。


そんな二人に身構えた私は一歩後ろに後ずさり黒ずくめな二人を眉を寄せて見ていた。



「椿、誰だ?」


「お父さん!なんか黒い人!」


「あぁ、椿の迎えか。」



黒ずくめ二人を見ても特に驚きもせず、冷静なお父さんの声に私の方が驚いてしまった。



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