スウィーツなキミ






今、自分の父親は「椿の迎えか」と普通の表情で普通に言った。


迎え?


私何かしたっけ?



「相原椿(アイハラツバキ)さんですね」


「違います。」


「相原椿さんですね。さぁ、時間なので車へお願いします。」



違うと言っても勝手に自己完結する黒ずくめ二人に私はイラッとしたまま掴まれそうになった腕を引いてお父さんの後ろに逃げ込むようにして隠れた。



「ふ、不法侵入で訴えますよ!ねぇお父さん!」


「これが椿の着替えです。必要な物はこの鞄に詰めましたから。」


「えぇぇ…お父さん!?」


「椿、体に気をつけてうまくやるんだぞ!」



この時の私の頭には…

ドナドナドナ〜ドナ〜………

なんて音楽が流れていた。



「さぁ、相原さん行きましょう。」


「早く行かないと我々が主人に怒られるんです。」



ボソリと黒ずくめが言った言葉にピシリと固まった空気に私は口元を引き攣らせた。

我々が主人に怒られる…?

って事はこの黒ずくめは雇われて此処にきたのか?
なんて考える暇が与えられたのは一瞬だけ。




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